中欧４か国旅行中欧セルビアからハンガリー、スロバキア、チェコと陸路をたどった旅。振り出しのベオグラードで鉄道駅が丸ごと移転しているという異常事態が発生し、セルビア通貨のディナールが他国ではまったく使えない（両替すらできない）事実に驚くも、ブダペスト、ブラチスラバと列車を乗り継いで、最終目的地のプラハにたどり着く。ヨーロッパの夏も暑くはあったが、最高気温はせいぜい31度程度で湿度も低く、エアコンなしの部屋でも寝苦しさを感じることはなかった。この旅で４か国を回ったことで、世界50か国(地域)訪問を達成した。＜写真はプラハの象徴・ヴルダヴァ川に架かるカレル橋＞
ドバイ＆ギリシャ旅行旧西ヨーロッパの国では数少ない未訪問国になっていたギリシャへ、アラブ首長国連邦のドバイを経由して向かう。ドバイは高さ世界一のビル「ブルジュ・ハリファ」に登り、ドバイがまさに砂漠の真ん中の大都会であることを実感する。ギリシャでは、アテネでアクロポリスなどの古代遺跡を訪ねた後、中北部の世界遺産「メテオラ」へ。メテオラは切り立った数十メートルの岩の上に修道院が建ち並ぶ不思議な場所。現在稼働中の６施設はすべて階段で登れるようになっているが、かつては人も物もロープで吊り上げて出入りしていたといい、あれでは仮に敵が襲ってきても攻撃を諦めざるを得ないだろうと実感した。＜写真はポニョもビックリの崖上の修道院(アギオス・ニコラオス修道院)＞
スロベニア＆クロアチア旅行「アドリア海の真珠」と呼ばれる城郭都市・ドブロブニクへ行ってみたくて、スロベニアの首都リュブリャナからクロアチアの首都ザグレブを経由し、陸路ドブロブニクへ向かった旅。前半は鉄道、後半のスプリットからドブロブニクまではバスだったが、このバスが途中にあるボスニア・ヘルツェゴビナの町・ネウムに立ち寄り、思いがけず訪問国数が増えることになった。ドブロブニクでは、旧市街を取り囲む城郭を歩いて一周したほか、ロープウェイでスルジ山に登って山頂から見下ろしたり、ミニクルーズ船に乗って海上から眺めたりしたが、やはり美しかったのは山頂からの眺望。街の中身そのものはレストランと土産物屋と美術館があるだけという話もあるのだが、都市全体の外観の美しさが何百年も保たれていることに感心した。＜写真はロープウェイ山頂駅から見下ろしたドブロブニク旧市街＞
マレーシア＆シンガポール旅行３年ぶりの海外旅行。日本から比較的近くて、しかし未訪だった２カ国を選んだ。先にクアラルンプールに入り、高速バスでジョホールバルを経由してシンガポールへ。マレーシアではずばりラマダン明けの祝日に当たってしまい、ミュージアムの類がすべて休みという憂き目に遭う。シンガポールでは、英国系、マレー系、中国系、インド系とさまざまな民族が共存している実情に驚く。世界を驚かすホテルや観覧車がある一方、屋台の食堂街はこれぞ“アジア”の猥雑さで、先進国のイメージからはほど遠い。ホテルにしても、まさに伝統の二文字がふさわしいラッフルズホテルの向こうに、異様な巨大建造物マリーナ・ベイ・サンズが顔を覗かせていた。＜写真はラッフルズホテルから見たマリーナ・ベイ・サンズ＞
上海超高速鉄道旅行関空から上海浦東空港へ飛んで市内までリニアモーターカーに乗り、翌日は前月開通したばかりの高速鉄道に乗って杭州へ向かう旅。驚いたのは、中国では「リニアより新幹線のほうが速い」という事実。上海のリニアモーターカーは「最高時速431キロ」とされているが、実際には300キロまでしか出さないケースが少なくなく、そもそも走行距離が30キロしかないため、それでもほとんど所要時間は変わらない。一方、上海市西郊に新設された30番線まである巨大ターミナル「上海虹橋」駅から杭州へ向かう新幹線は常に最高時速350キロ以上を出し、200キロ強の区間を最短45分で結んでいる。浮上していると言いながら常に細かい揺れが続くリニアに対し、新幹線は日本と同じかそれ以上に快適。今日の中国の鉄道技術は想像以上に高い。乗ってみなければ、わからないものである。＜写真は滬杭高速鉄道の和諧号＞
バルト三国＆ポーランド旅行フィンランドから海路エストニアに渡り、バスと列車を乗り継いでラトビア、リトアニアと縦断し、最後はポーランドへ入って南部の古都クラクフとオシフィエンチム（旧名アウシュビッツ）を訪ねる旅。第二次大戦関連という意味ではカウナスの杉原千畝記念館も訪ねたが、何といってもアウシュビッツが衝撃的だった。何より驚くのがその規模。「ARBEIT MACHT FREI」の看板で有名な収容所もそれなりには広いが、面積がその20倍あるという「ビルケナウ」と呼ばれる第二収容所の広大さには言葉を失う。ナチスに“社会の敵”と決められたユダヤ人をはじめとする人々は、ただ殺されるためにここへ集められた。効率よくその作業を行うため、収容所内には鉄道貨車（間違っても客車ではない）の引込線まで設けられていた。日本国内のみならず、戦争に関する史跡は少なからず見ているつもりだが、アウシュビッツはそのどれよりも、戦争の狂気と愚かさを実感させられるものだった。＜写真はビルケナウ収容所（内側から門を望む）＞
近代化中国実感旅行期限切れになりそうだったＪＡＬのマイレージを使うため、急遽思い立って中国を訪問。羽田から北京へ飛び、日本のＥ２系新幹線と同じ高速列車「ＣＲＨ」で青島へも行った。13年ぶりの訪問だった北京は、あらゆるものの変わりようにビックリ。空港ターミナルは成田など比べものにならない超巨大なものになっていたし、市内への足はオンボロバスからリニアモーター（非浮上式）の電車に。およそ自動という言葉からは遠かった地下鉄も、車両も改札も日本とほとんど変わらぬものになっている。また、英語併記の看板が非常に多くなり、オリンピックのもたらす力を実感した。その一方、夜の街はごく一部を除いていまだに暗く、英語が話せる人もそれほど増えていない。近代化したとはいっても、まだまだ中国は発展途上と感じた旅だった。＜写真は北京国家体育場「鳥の巣」＞
欧州大横断旅行オランダのアムステルダムから、ユーラシア大陸最西端のポルトガル・ロカ岬までの陸路大横断旅行。ユーレイルパスを活用して途中ルクセンブルクへも立ち寄り、ブリュッセルからパリまでは「タリス」、パリからスペイン国境のイルンまではＴＧＶ大西洋線にも乗った。以前から行きたいと思っていたロカ岬は、日本人こそ少なかったものの、観光客で溢れており、予想以上に俗化していて少々ガッカリ。また、ワシントンのような行政都市と思ったブリュッセルの街がヨーロッパでも有数の観光都市で、中心部が土産物屋だらけだったのに驚いた。この旅行、南北約1,500キロ、東西約1,200キロの大移動だったにもかかわらず、その沿線の線路脇ほとんどすべてに咲いていた黄色いエニシダの花が印象的だった。＜写真はロカ岬の「ここに地終わり、海始まる」の碑＞
台湾新幹線旅行台湾新幹線に乗ることを主目的に、ひまわりレールファンクラブの行事として訪問。前年10月に同じことを企画しながら台風で中止になったため、あえて時期をずらして実施した。現地で「高鐵」と呼ばれる新幹線は、車両設備も乗り心地も日本の７００系とまったくと言ってよいくらい同じ。逆に大きく違うのは在来線との接続。両端駅（台北の次の板橋を含む）こそ在来線併設だが、途中で在来線と接続するのは台中のみで、その台中も元々の在来線駅とはかなり離れた場所にある。いくらスピードが速くても乗り場が不便なことは大きなマイナスのようで、復路に乗った並行在来線特急自強号が、新幹線開業後２年してなお超満員だったことに驚いてしまった。＜写真は左営駅に到着した台湾新幹線＞
中米グアテマラ旅行中米グアテマラのマヤ遺跡・ティカルを訪ねることを主目的とした旅。ジャングルの中に千年以上前に造られた数十メートルの神殿が並ぶ様はまさに神秘的で、その上部（木製階段で登ることができる）から見渡す地平線まで森林が続く景色は圧巻。ある旅行作家の「マチュピチュよりも素晴らしい」との意見には必ずしも賛成しかねるが、一見の価値はある世界遺産なのは確かといえる。グアテマラ国内では他に古都アンティグアも訪ねたが、この国は観光の点ではまだまだ発展途上。大挙して外人観光客が押し寄せるのがよいかどうかという議論はあろうが、ホテルや道路などのインフラ整備が行き届いておらず、英語の通用度も低い。実質４日間の滞在中、日本人観光客を見かけたのはわずか１回だけだった。＜写真はジャングルの中に聳えるティカル第５神殿＞
カンボジア＆ベトナム旅行現地手配の航空券でホーチミンシティからシェムリアップへ飛び、陸路でホーチミンへ戻る旅行。自転車で回ったアンコール遺跡群は、アンコール・ワットもさることながら、永年の放置で樹木が石壁に絡みついた状態が保存されているタ・プロームが印象に残った。シェムリアップからホーチミンまでは、プノンペンでの１泊を挟んでバス移動。カンボジアとベトナムは、ともに物価が日本の５分の１程度と安く、米ドルが自国通貨同様に使えるという共通点があったが、一方で両国の経済格差を強く感じた。国際バスに乗ると、国境を境に景色が変わる。カンボジアの国道は舗装も不十分な対面通行なのに対し、ベトナムは立派な片側２車線道路。沿道の農家も、カンボジアが粗末な木造住宅ばかりなのに対し、ベトナムは大半がコンクリート造り。内戦の明らかな爪あとは両国ともほとんど見られない現在だが、カンボジアの復興までには、まだまだ時間がかかりそうだと感じた。＜写真はアンコール遺跡群の一つ・スポアンの根が絡みついたタ・プローム＞
欧州大縦断旅行イギリスからフランス、スペインと下り、いったん海峡を渡って北アフリカ・モロッコのタンジェへ達し、英領ジブラルタルへ戻ってくるという欧州大縦断旅行。移動手段は鉄道と船、バスを使い、移動距離はのべ約3,000キロに及んで、都合６回も国境を通過した。ロンドンからは「ユーロスター」で海底トンネルを抜け、パリではわずか５時間の滞在ながらエッフェル塔に登る。マドリッドではピカソの「ゲルニカ」を見て皿いっぱいの生ハムを食べ、コルドバでは世界遺産の「メスキータ」を訪ねる。タンジェでは地図なしで市内を散歩して道に迷い、ジブラルタル海峡ではイルカの大群に遭遇。そして最後に到達したジブラルタルは、「ターリクの山」と呼ばれる地中海に突き出た半島が一つの“国”になっているところ。英領だが、独自の通貨と旗を持っている。平地が少ないことから、それを最大限活用するため、半島の付け根の部分に空港の滑走路が建設され、中央部を一般道路が併用して横切る形になっていた。＜写真はジブラルタルの象徴・ターリクの山と滑走路を併用した道路(右奥)＞
アイルランド旅行英領北アイルランドのベルファストから入り、同じく英領のロンドンデリー、西海岸のゴールウェイ、アイルランド共和国の首都ダブリンと回った旅。アイルランドは今は紛争もなく、実に穏やかな牧場の島だった。高い山がなく、釧路湿原の如き人跡未踏地帯もほとんどないため、国土の大半が牧草地になっている。六角柱の岩が海岸に並ぶジャイアンツコーズウェイも、背後の断崖の上はすぐ牧場になっている。驚いたというか、初めて知ったのは、この地のパブでは皆がツマミも食べずにひたすらビールを飲んでいること。必ずしも黒ビールの「ギネス」には限らないようだったが、老若男女が揃ってパイントグラス（約570mlが入る大型のコップ）を手に語り合っている。日本人は「ツマミ」と思っている「フィッシュ＆チップス」はアイルランド人にとっては“食事”で、彼らは食事を終えた後、酒だけを飲みにパブへ出向くのであった。＜写真は北アイルランドの世界遺産・ジャイアンツコーズウェイの岩畳＞
北欧３か国プラスエストニア旅行ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧３か国にバルト三国のエストニアをプラスした旅。１週間で言語も通貨も異なる４つの国を回った。言葉は、看板の表示はともかく、話すほうはすべて英語でまったく困らなかった。通貨の違いも、面倒ではあったが特に気にならなかった。何より違いを痛感したのは、物価水準の差。最初に訪れたノルウェーはすべてのものが日本の２倍近い値段で、サンドイッチとソフトドリンクだけで何と千円を超えてしまう。それが国境を越えるごとにどんどん値段が下がり、スウェーデンは日本の１．５倍くらい、フィンランドは日本よりやや高い程度、そしてエストニアの物価は逆に日本の半分。ビーフステーキのディナーがビール＆コーヒーつきで二千円台前半で収まった。４か国それぞれの首都を歩き、街並みや市内交通の違いなどもいろいろ見てきたが、この急激な物価の落差が、自分にとっては最高のインパクトだった。＜写真は世界遺産・タリンの旧市街＞
香港＆マカオ旅行南米往復で貯めたマイレージによる無料航空券を使っての旅行。香港では地下鉄とトラム、ケーブルカーを全線完乗し、ジェットフォイルでマカオへも足を伸ばした。香港にしてもマカオにしても、驚いたのは人口密度の高さ。郊外へ出れば離島の漁村そのものといった場所もあるが、都市部のアパートやマンションのビルの高さと建物の密度は日本の常識をはるかに超越していて、自分の住んでいた千里ニュータウンなどは街全体が公園に思えてしまう。住む人が多いから、商店街も活気に溢れている。香港島を走る世界唯一の二階建てトラムは、東西約10キロの沿道の大半が商店街になっているが、人波はどこも途切れることがない。折り返しのループ線がある北角（ノース・ポイント）では、店々の軒先を掠めるように線路が敷かれていて、電車が買い物客を掻き分けるようにソロソロと走り抜けていた。＜写真は香港島・北角の街角＞
イタリア＆サンマリノ旅行ミラノから入り、フィレンツェ、サンマリノを経てローマへ至る旅行。キリスト教の持つ力の大きさには改めて驚かされた。ミラノとフィレンツェのドゥオモもさることながら、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の巨大さときらびやかさには、ただ感服するほかない。ウフィツィ美術館（フィレンツェ）の収蔵の数々の絵画も、２時間以上待って見ただけの甲斐はあった。二千年前に数万人収容の大競技場・コロッセオを造った古代ローマ人の技術力にも目を見張った。しかし、それはそれとして、サンマリノは別の意味で印象に残った。半島中北部、ティターノ山の城塞とその麓に広がる小国に丸一日滞在。そこは穏やかな空気と時間の流れる、喧噪とは無縁の、明らかにイタリアとは別の平和そのものの共和国だった。＜写真はサンマリノの街角＞
南米ペルー＆ボリビア旅行世界六地区（欧、亜、アフリカ、オセアニア、北米、南米）の中で最後の訪問となった南米旅行。最初にクスコへ入ってマチュピチュを列車で往復、夜行バスでチチカカ湖畔のプーノへ移動し、陸路国境を越えてラパスへ抜けるルートをとる。着いたその日にいきなり財布をスリに盗られ、最後には命とパスポートのつぎに大事(？)な『地球の歩き方』を紛失するというトラブルもあったが、心配していた高山病の症状は全く出ず、腹をこわすこともなく、無事に帰ってこられたのは幸いであった。旅全体としては標高の高さゆえの空の青さが印象に残ったが、何より特筆しておくべきはマチュピチュ遺跡。「天空の城ラピュタ」そのものといってよい城郭都市の廃墟が、山の頂に現実に存在している。クスコからさらに片道４時間の道のりは遠いが、訪れる価値はある。インドのファテープル・スィークリーよりも、エジプトのピラミッドよりも、個人的には遙かに感動した。＜写真は“空中都市”マチュピチュ＞
極東ロシア・ハバロフスク旅行青森発着のダリアビア航空チャーター便利用のパックツアーに、韓国へ一緒に行った後輩と参加。３泊４日（実質現地滞在２日）のツアーで、ハバロフスク市内を観光したほか、シベリア鉄道の普通列車に乗って約170キロ西方のビロビジャンも訪れた。シベリアの街と大地は、季節の境目だったこともあるが、全体がモノクロームだった。雪はほぼ消えているものの、木々はまだ芽吹いていない。市内にはネオンや派手な広告看板の類はほとんどない。自由市場だけは人も物も溢れているが、それ以外の場所は目抜き通りといえど人通りは決して多くない。また、都市と都市の間は、農地もあるにはあるが、ひたすら原野が広がっている。ハバロフスクとビロビジャンの間は、その４分の３近くが、人気の全くない釧路湿原の如き湿地帯であった。＜写真はインツーリストホテルから望むアムール川＞
エジプト旅行一人旅ということもあってルクソールとアスワンをあえて避け、カイロを起点にポートサイード、アレキサンドリアとナイルデルタの街を巡り、砂漠の中の農業国・エジプトを目と肌で実感する。エジプトは想像以上に物価の安い国で、アレキサンドリアからカイロまでの冷房付特急列車がわずか７００円足らずで乗れた。最大の“発見”は、「エジプト」という言葉が実は「ジャパン」と同じ英語だと知ったこと。アラビア語ではエジプトのことを「ミスル（ＭＩＳＲ）」といい、エジプト航空の略号「ＭＳ」も実はそれが起源だったのであった。＜写真はカイロの街角＞
ニュージーランド旅行前回のインドから一転、安心感に包まれた純粋に楽しい海外旅行。クライストチャーチから入り、列車とフェリー、バスでオークランドまで縦断する。宿は最初のクライストチャーチのＹＨのみ日本からインターネットで予約し、その後は泊まった宿で次の宿を予約できるサービスを使い、すべてユースホステルに泊まった。この国は、まさに“羊の国”。30分走っても１時間走っても、市街地でも森林でも工場でも麦畑でもなく、ただひたすら牧草地が続く。聞くところでは、ニュージーランドは国土の５割以上が牧草地なのだとか。十勝平野や根釧台地などとはまるで比較にならない緑一色の風景には、素直に驚いた。＜写真はシートが“羊状態”のロトルア−オークランド間の列車＞
インド旅行デリー→アグラ→ベナレスというルートで回る、表面的にはスタンダードな観光旅行。タージマハルは美しかったし、古都ファテープル・スィークリーの遺跡は保存状態の良さに驚いた。ベナレスではガンジス川のボートタクシーにも乗った。物価はムチャクチャに安かった。しかし、その実態はとんでもないトラブル続き。デリーではインチキ旅行会社に騙されて正価の５倍近い値段の鉄道切符を買わされ、アグラでは病院と結託したリクシャワーラー（三輪タクシーの運転手）の手による“強制入院”を体験。これらの体験記は『地球の歩き方』にも掲載された。最終的には体は無事で、特に何かを盗まれるということもなく帰国できたが、ともかく最高にインパクトのある旅行であった。＜写真はガンジス川・ベナレスの沐浴場（ガート）＞
韓国旅行「日韓共同きっぷ」を使った、新幹線と関釜フェリーによる、飛行機を使わない海外渡航。成田でもほかの空港でもない、下関港での「ＫＡＭＭＯＮ」という出国スタンプは“貴重品”である。韓国国内ではムグンファ号とセマウル号で釜山→慶州→ソウルと回る。会社の後輩との二人旅で、ソウルでは取引先の若手社員と夜の明洞を楽しむ。韓国は日本車がほとんど走っておらず、日本企業の街頭看板も少ない。しかし、日本語は非常によく通じる。この国では、日本語が話せることで、ビジネスチャンスが広がる。外国語専門学校の看板に、英語より先に「日語」と書いてあるものすらあった。＜写真は韓国鉄道公社の特急「セマウル号」＞
アメリカ中東部旅行友人とともにシカゴ→ワシントンＤＣ→ボルチモア→ニューヨークと巡る、メジャーリーグ観戦と美術館と鉄道の旅。シカゴではまだ“単なる四番打者”にすぎなかったサミー・ソーサを、ボルチモアでは鉄人リプケンを、ニューヨークでは大投手ケビン・ブラウン（当時マーリンズ）を見る。移動手段はすべて列車。初めて訪れるニューヨークに列車でたどり着いた日本人は、いまの時代、かなり珍しいのではないかと思う。ニューヨークのメトロポリタン博物館は、話には聞いていたが、その巨大さと陳列品の充実ぶりにマジで驚いた。
ちなみにこのとき、リバティ島の「自由の女神」の展望台（王冠の部分）に登り、窓の部分からマンハッタンの写真を撮っている。何も考えず、ごく普通にシャッターを切っただけの１枚。それが４年後、撮影地と被写体と二重の意味で二度と撮影できない貴重品になるとは、夢にも思わなかった。＜写真は「自由の女神」展望台から望んだマンハッタン＞ ※自由の女神の展望台は、2009年７月から再開している。
中国東北部旅行寒いけれど航空券の安い冬に、北京→瀋陽→大連と旅行。北京では列車とミニバスで万里の長城（八達嶺）を往復し、大連への列車は硬座のチケットを自分で買い、現地の人々とともに旅する。ホテルでも英語が通じず、逆に片言の日本語が通じてしまう事実には、中国と日本のつながりの深さを実感した。その年に見たテレビドラマ「大地の子」と、チェン・ユアンのノンフィクション大作「ワイルド・スワン」で読んだ“中国”というものの一片を実感できた旅であった。＜写真は万里の長城（八達嶺）＞
ドイツ＆オーストリア旅行フランクフルト往復の航空券で、現地ではニュルンベルク→ミュンヘン→フュッセン→ガルミッシュパルテンキルヘン→インスブルック→マインツと回る。フュッセンでは駅で自転車を借り、ノイシュバンシュタイン城までロマンチック街道サイクリングを楽しんだ。ヨーロッパの水道水は一般に“飲めない”と言われるが、アルプスの麓の水はそのものがミネラルウォーターで、当然に飲めるということを知る。ガルミッシュから登山電車で登るドイツアルプス・ツークシュピッツェは、日本ではあまり知られていないが、なかなかの絶景であった。＜写真はマリエン橋から望むノイシュバンシュタイン城＞
タイ旅行沢木耕太郎の『深夜特急』を読んで、はじめはインドへ行こうと思ったが、たまたま安い航空券が手に入ったため訪れたタイ。バンコク、ナコンパトム、チュムポンを訪れ、町中を歩き、市場で“アジアンパワー”を実感する。１泊320円のユースホステル、１個（１切れではない）20円のパイナップル、丸一日乗っても400円足らずの列車。物価の国際格差というものを、初めて身をもって感じた旅でもあった。＜写真は露天商に線路を占拠されているバンコク・トンブリー駅＞
アメリカ西海岸旅行シアトルへ飛び、アムトラックでサンフランシスコへ移動し、サンノゼから帰国。シアトルのキングドームでは、初めてメジャーリーグの試合（対ロイヤルズ）を見る。当時のマリナーズ打線は４番がグリフィー、５番がブロワーズ（後に阪神）だった。アムトラックはオレゴン州内の地震の影響で大幅に遅れ、本来ならシアトル発の翌朝に着くはずのところが、サンフランシスコ市内に到着したのは、日付の変わった深夜３時。それでも１泊12ドルの宿に泊まれたのは、ラッキーの一言だろう。＜写真はサンフランシスコのケーブルカー＞
数少ない会社の仕事（研修）で行った旅行。高雄→花蓮→台北と回る。バックパック以外のカバン（ボストンバッグ）で行った海外旅行という意味でも、自分にとっては“貴重”な旅行である。当時の台湾はまだビザが必要で、日本人旅行客はそれほどには多くなかったはずだが、それでも団体客が訪れる場所はほぼ完璧に日本語が通じ、こういう“外国”があるという事実を知った。
ヨーロッパ旅行（英、仏、スイス、独、蘭）大学の卒業旅行としての、初めての海外旅行。ちょうど湾岸戦争のさなかで、友人の多くが旅行を中止する中、自分は予定通り出発する。「ユーレイルパス」を１枚持っただけの宿の予約を一切しない旅行で、成田からロンドンに着いた翌朝、ヴィクトリア駅でいきなりＩＲＡの爆弾テロを目撃するという怖い事件もあったが、言葉の壁を感じることもなく５カ国を回って無事帰国。ＴＧＶや氷河急行などの鉄道旅行のほか、ユングフラウではダイナミックなスキーも楽しんだ。２月28日にベルリンのツォーロギシャーガルテン駅で見た新聞の号外の見出し「Der Krieg ist aus!」（戦争が終わった！）は、今も忘れられない。＜写真は当時世界最速列車だったＴＧＶ（南東線マルセイユ・サンシャルル駅）＞